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Wales, United Kingdom
日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2013年12月31日火曜日

イギリスの中学校 入学までのていねいな橋渡し 

短かった小学校登校時代


小学校5年生になる4月。英国へ転校した息子は5年生をわずか2カ月で終わり、その年の9月には6年生になりました。
短かった小学校登校生活。

日本では小学校1年生から不登校生だった息子。

イギリスの小学校に通い始めて、毎日元気に登校し教室で授業が受けれるようになった喜びもつかの間。中学校への進学が迫ってきました。

不安だった中学進学。日本の統計では中学1年生が一番不登校生になる確率が高い。
せっかく毎日学校へ通えるようになったのに、ここでつまずかなければ。。。

大きな心配を胸にした小学校最後の年でしたが、イギリスでは、小学校から中学校への橋渡しはとても細かく予定されていました。

イギリスの中学校の入学までのスケジュール 

 9月 新学年 6年生
  • 新6年生になったばかりの9月に公立中学校から学校見学説明会のお知らせが届きます。
 10月 親子での中学校の見学説明会 
  • 説明会で渡される学校紹介には中学と小学校が連結した就学までの細かい橋渡しが記載されたスケジュールが入っていました。この就学前スケジュールには特別支援・視覚障害の児童への対応も記載されています。

11月 
  • 中学校の入学申し込み開始  インターネットで申し込みが可能
  • 中学校の新入生サポートチームが小学校を訪問し、小学6年生と面談
 12月 入学申し込みの締め切り
翌年2月 
  • 公立中学校からの学年チームリーダー生徒サポートチームの先生が小学校を訪問。 
  • 新7年生になる各生徒の情報を小学校と交換したり、6年生に中学校生活について紹介する。
3月 就学する中学校が決定。(就学通知はインターネットで見ます。)

4月
  • バディー(Buddies)チームの中学生が6年生を訪問。
  • 公立中学校の特別支援の先生の小学校訪問し、中学での特別支援についての説明。
 6月 
  • 新入学生の両親への説明会 
  • 中学生の演劇科の生徒が小学校訪問し、中学就学の説明をお芝居で披露。
  • 特別教育支援(SEN :Special Education Needs)又は、追加教育支援(AEN :Additional Education Needs)チームが訪問し、小学校の特別支援(SEN)の生徒とCATsテスト (Cognitive Abilities Test)という認知知能試験を行う。
7月 小学6年生が、中学校への訪問し、体験授業

  • この日に新7年生(中学1年)のクラス分けが行われて、体験授業は9月から一緒のクラスメイトと行います。(ロンドンの息子のお友達は、この中学体験授業が3日間にわたって行われ、連日中学校へ通ったそうです。)
夏休み 中学校での1週間の体験活動「サマー・ラーニング・フェスティバル」


イギリスの中学校 入学までの丁寧な橋渡し 就学前のスケジュール 特別支援も含めている
イギリスの中学校からの就学前スケジュール
イギリスの中学校への入学までの丁寧な橋渡し 就学スケジュール2 特別支援も含めている。
特別支援教育・視覚障害の児童への対応も
一緒に書かれている。

就学前の丁寧な橋渡しと夏休み前のクラス分け

息子は7月の中学体験授業では、理科や体育をしたそうです。名札を書いて入学する前にクラスメイトの顔や名前を知ることで安心感が増しました。

「一度会って名前を知ったり一緒に活動したりして、その後、夏休みがあって少し距離も取れたのがよかったよ。いきなり会って明日から仲良くしろって言われたら結構かまえちゃうよね。夏休みが真ん中に入ったから、9月の入学の日はよく知っている所へ戻るような感じがした。」と息子のコメント。

不登校生だったことや学力的にも不安がまだ残る中、地元小学校7校が就学するマンモス中学校への進学は悩みました。
 「少人数制の私立中学の方がいいのでは。。。」
公立校への申し込みが終わった後も私立校への申し込みも考えていました。

公立中学校からのきめ細かいアピールとスムーズな中学入学

しかし、息子は小6になってから続く学区内の公立中学校からのきめ細かいアピールコールに心を決めたみたいです。
「僕はこの公立中学校にいくよ。」

 そして、新7年生としての中学生活が始まりました。

新学期に入った最初の1・2日は、新7年生(中学1年)と新10年生(高校1年)だけが通学して、授業が行われます。イギリスの公立学校は形式ばった入学式がなく、特に行事ごとには固くなりやすい息子には不安の材料が1つ減りました。

最初の1週間目は新7年生だけが他の学年の生徒より早くお昼休憩が始まるようにに時間割が決められていました。その分、お昼時間も長くなり、ゆっくりごはんが食べられて、食べるのが遅い息子にとってはありがたいことでした。

やったね。登校率アップ

息子が中学1年生の1学期の終わりに持って帰って来た通知表には「出席率98.6%」と書いてありました。(風邪でお休みした2日間を除いた全日数を登校できました。)

イギリスの小学校と中学校の先生たちが共同で行うスムーズな中学校への橋渡しのお陰で、不登校だった息子でも入学前に新しい学校になじむことができ、元気に登校を続けられました。

小学校で不登校生だった時に「学校に行きたいけど、学校に行っても何が起きるかわからないから不安だ。」と言って布団の下にうずくまっていた息子の姿がだんだん小さくなっていきます。


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2013年12月16日月曜日

校長室登校の成功の秘訣

校長先生のお誘い

「校長室におもしろいものがあるから、見においで。」と誘われて、数週間以上学校の正門をくぐることができなかった息子が校長室を訪れました。

 なんだかこんな風に書くと簡単なように聞こえますが、校長先生の家庭訪問からわずか1週間で登校できたのは「いろんな思い入れと策略がうまくかみ合った。」からだと思います。 

校長先生の家庭訪問で先生への信頼感を持てた。
校長先生の声かけの仕方も不登校の息子に分かりやすかった
校長先生によって校長室訪問のスケジュールが丹念に考えられた
これらによって息子の登校は成功したと思います。

待っていた学校復帰へのシグナル

 不登校になってから、同級生はもとより小学校の同じくらい年齢の子供たちに会うと固まってしまう息子。家にいても外から小学生の声が聞こえただけで怖くなり隠れる日もあったり。

校長先生は、こんな不登校生の気持ちをわかっていたのか。「生徒のいない時間帯に来てもらったほうがいいかな。他の生徒にも会う可能性が減るし、下駄箱のある入口より校長室に一番近い正面玄関から直接入ってきてもらほうがいいかな。」と訪問日の予定を立ててくれました。

「学校に来れなかったら、校長先生がまた会いに来るからね。」と第2の提案もしてくれました。1番目の案がうまくいかなかったら2番目の案があると知っていたことで、親子ともどもプレッシャーが減りました。

 特に、息子はこの2番目の案があることで、かなり気持ちが楽になっていたみたいでした。 「校長先生にまた家に来てもらってもいいけど、校長室に行くといっぱい見れるんだよね。」

なんだかたわいない言葉に聞こえますが、実は、ここに彼なりの精いっぱいのがんばりがありました。

離れるほど存在が大きくなっていく学校というものに、息子はどうやって戻ったらいいのかその糸口を探していたような気がします。

もちろん、学校へ行けば、先生もお友達もいっぱい暖かく迎えてくれるのですが、彼自身が戻る道を見つけられずにどうしようと思っていた時に、校長先生の声かけがあったのでした。

 「学校の正門までおいでよ。」とか「保健室においでよ。」とか学校へ戻るお誘いは、それまでもいっぱいもらっていた息子でしたが、彼にとって難しい部分は「学校に行ってから何をするの?」という疑問でした。

「学校でどうやって時間を過ごすの?」という疑問は、「不安な気持ちを持ったまま何時間も過ごさないといけない。」という答えに結びつき、彼の勇気の妨げになっていました。

校長先生のお誘いは、息子にとって、待っていたシグナルでした。

分かりやすい戦略

  校長先生の戦略は一言で言うと『簡単なことから始める。明確な計画を教えておいて、納得してもららってから行動する。』

登校の目的と滞在時間、そして場所までのたどり着き方がはっきりとわかって納得しやすいことが息子には大きな励みになりました。

 「校長室で先生が話してくれたおもしろいおもちゃを見る。」
 「学校にいる時間は1時間。」
 「他の生徒に会わない時間帯」
「正面の入口から校長室に直行する。」

この校長先生の明瞭な提案は、不登校生だった息子に登校というハードルを低くしてくれました。 

こうして校長室で楽しい1時間を過ごした息子は、それから毎週校長室へ通うようになりました。 


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2013年12月3日火曜日

イギリスのジュニアテニス 英国テニス協会とトーナメント・システム

待っていた初優勝

息子がようやくジュニアテニストーナメントで優勝しました。

今回のトーナメントは地元のテニスクラブで行われたグレード5の大会。優勝ポイントは75ポイント。
やったー!早速、家に帰って英国テニス協会(LTA)のホームページで、息子の大会記録をチェック。
ランキングが上がっていたぁ。

さらに嬉しいのが、次の朝。
早速、英国テニス協会からEメイルが届いていました。

『おめでとう!君のレートは9.2から9.1に上がりました。。。。今大会シーズンの健闘を祈ります。LTA・コンペティション・チームより』 

イギリスジュニアテニス大会 英国テニス協会(LTA)からのお知らせメール
英国テニス協会(LTA)からのメール

イギリスのテニス大会と英国テニス協会のコンピューター管理

イギリスのテニストーナメントは、ジュニア戦含めて、すべてLTAと呼ばれる英国テニス協会(The Lawn Tennis Association)の規定に従って行われます。英国テニス協会はテニストーナメントのルールだけでなく、イギリス全土のテニス大会の全てを管理しています。本当にすべてを。

イギリスの公式戦に出るには、英国テニス協会(LTA)に選手登録をしなくてはなりません。LTAに入会している人は大会にでなくても『ブリティッシュ・テニス・メンバーシップ(BTM)』というLTAのメンバー番号をもらえるのですが、これが選手登録番号になります。

メンバー入会すると、入会通知と共にこのBTMメンバーカードが送られてきます。

クラブ対抗戦以外は、各自が英国テニス協会のホームページからトーナメントの参加申し込みを行います。LTAのホームページからBTM番号を使ってログインすればいいだけなのですが。コンピューターがなければ、大会主催者にBTM番号を教えると参加登録をしてくれます。

小学校のテニス部でのトーナメントの時も先生から「息子さんのBTM番号を教えてください。」と聞かれました。

このBTM番号を知らなくても、ランキング登録を一緒に申し込んでいれば、LTAの選手プロファイルで調べることができます。大会にでなくても、あなたを選手として英国テニス協会は登録してしまうわけです。そして、BTM番号を持って選手登録したら、LTAのホームページであなたの試合記録は全て公開されます。

イギリスのテニス公式戦はどんなに小さいローカル大会でも、すべてLTAによってコンピューター管理されていています。大会主催者は英国テニス協会の送ってくるソフトウェアを使い、選手の参加受付からマッチの組み合わせ(ドロー)、結果の入力までLTAのサーバーに連結して行います。

英国テニス協会によるコンピューターでの中央管理。ローカル大会から国際大会まで、毎日すごい量の大会結果やテニス選手のプロファイルがサーバーに入ってきて、大会の結果のアップデートはオンタイムで行われているわけですね。やるなぁ、LTA。


イギリスのテニストーナメントと選手レート

今回の大会で3勝し、ようやく息子のレートも上がりました。
英国テニス協会のメイルに書いてあった「レート」って何?「9.2から9.1」って何?と思われるでしょうが、これは公式戦に出る際に必要な選手のレベルの評価です。

ブリティッシュ・テニス・メンバーシップ(BTM)を取得している人であれば、大会に出なくてもLTAにランキング登録を申し込んでおけば「10.2」というレートを与えられます。

大人のプレイヤーで「いやぁ、自分はもっとテニスが上手いよ。」と思えば、7.2までは自己申請ができます。

選手レートは、10歳以降のジュニアと大人のプレイヤーの場合は1から10レベルまで。(10歳以下はミニテニスプレイヤーとして違うレートが適応されます。)

1から10までの各レベルがまた1と2の上下に分かれます。最低レベルの10.2から10.1そして9.2と上がっていき、やがて最高レベルの1.1となります。


英国テニス協会 選手レート(選手レベル)

最高レベル  1.1
最低レベル 10.2

「ジュニア選手だとどのくらいのレートなのかなぁ。」
息子と同じ12歳グループの選手をみると、2013年の夏シーズン 全英(グレード1)大会U12優勝選手は、全国ランキング2位で、レートは5.2でした。

イギリスのテニス選手のランキング表に載るには、このレートを持っていることが条件で、トーナメントによっては「レート9.1以上の選手」「レート10.1までの選手」等と選手レートによって制限されることがあります。

レートは大会出場年数に制限がなく、年齢枠で区切られることもありません。
イギリスの公式戦で1マッチにごとにカウントされて、自分以上のレートの選手に4回勝てば、次のレベルに上がります。

ジュニア選手には適応されないけど、大人の場合は、自分のレート未満の選手に負けるとレートが下がります。シビアですね。

決勝戦優勝で対戦相手も安堵の顔

優勝した今回のトーナメントは、今年の夏からジュニアトーナメントを主宰しだした地元のテニスクラブで行われました。決選相手はよく知ってる地元の友人や学校のテニスクラブの子達。

夏のトーナメントシーズンが始まった時は、地元クラブでのグレード5の大会では、対戦相手よりレートも上で、シード1だった息子。なのに、観戦しているだれもが『なぜ?』という程負け続けて、とうとう今回はシードなし。

この夏のトーナメントシーズン、レートが自分より下の子達にいっぱい負け続けて、対戦プレイヤーにレート加算ポイントをいっぱいあげてきた息子。

それだけに息子が優勝した時は、負けた相手プレイヤ―も含めてみんなが「ようやく優勝できたね。」という安堵した顔になっていました。




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参照:英国テニス協会(The Lawn Tennis Association)http://www.lta.org.uk/


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