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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2014年11月23日日曜日

保健室登校と保健室の先生


息子の登校渋りが始まりクラスで授業を受けられないようになって、初めて同じ学校で保健室登校している生徒さんがいっぱいいることを知りました。 

いつでも話せる保健室の先生


息子が学校へ行き渋るようになってから、一番コンタクトを取っていたのが保健室の先生。
保健室に行けば先生は必ずいるのですから、保護者にとっては一番接しやすい先生ですよね。

 担任の先生は授業もあるし忙しそう。廊下で立ち話というわけにもいかないし。

校長先生や副校長先生のところに「どうしたらいいですか?どうしましょう?どうしましょう?」と毎日相談に行くのも気が引けるし。

 こどもが不登校生になると何が一番大変かというと毎日の予定が立たないこと。

 元気そうなときもあれば、落ち込んでいたり、泣いていたり、お腹が痛くなったり、部屋の隅で丸くなって落ち込んでいる小学校1年生の息子をほっておいて出かけることはできませんでした。買い物に行くのもままならず、ずーっと息子の傍らに座っているだけ。

学校に行って相談もできないし、電話で相談したら息子に聞こえるし、どうしたらいいのだろう。それでなくても学校に行けないことに一番苦しんでいる息子。親が息子のことでひそひそ話をしているところを見せたくありませんでした。

学校にいつ行っても会えて、気軽に話せる保健室の先生は不登校生の母にとっては心のよりどころです。


保健室登校の児童数(平成13年・18年比較)文部科学省より
増える保健室登校生 保健室登校の生徒数 (文部科学省)

 初めて知った保健室登校

息子が学校に行き渋るようになってから、一番初めに薦められたのは保健室登校。

 「クラスでの授業が難しかったら、保健室でお勉強したらどうですか。」

学校を休みがちでも登校ができた頃には、保健室で先生と折り紙をおったり、先生のお手伝いをしたりできた息子ですが、不登校時代には保健室登校ができない日も多かった息子。

この学校始まって以来の正式の不登校生と言われて、息子以外に不登校はいないのだろうと思っていたのですが、学校には来ても教室で勉強できない子は他にもいたのでした。 学校には来ているから不登校生ではないけど、保健室登校をしている子がこんなにいるのかと初めて知った私。

いっぱいいるというと「何十人もいる。」みたいに聞こえますが、学校に行けない息子に付き添っていて毎日息子の側にいるだけの私にとっては、クラスでの授業に参加できなくて辛い思いをしている子が息子以外に1人でもいたら、いっぱいいるように感じます。

全校生徒わずか200名の小学校では、保健室登校生数が片手にあまる数でも多く感じました。 

保健室登校の生徒といっても、授業によってはクラスに戻る生徒もいたり、ちょっとだけ休みに来てからまたクラスに戻る子もいたり、1人で教室に戻れる子もいれば、先生が連れて行かないといけない子もいたり一人一人違います。

保健室の先生は各自のスケジュールを把握して、声をかけたり教室まで連れて行ったり、ベッドで休ませたり、保健室で宿題したり、折り紙したり。

保健室登校の生徒だけでなく、怪我をしたり具合が悪くなったりする生徒も来たり、くるくると変わる状況に保健室の先生は対応していきます。

 「すごーい。こんな細やかな対応があるんだ。」と心から感心していた母。

でも、そのくるくると変わる環境に息子は合わせるのが難しかったのでした。 

その上、小学校の保健室はとても人気の場所。休み時間になると子供達がいっぱい遊びに来ます。

息子のクラスのお友達も来たりして、息子がいると「どうして学校こないの?」と声をかけられたり、時には仲良く遊べる時もあったけど、クラスに戻ることができない日数が増えるほど、クラスの友達とだんだん顔を合わせるのが辛くなっていった息子でした。





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2014年11月5日水曜日

不登校生と犯人探し 不登校生になった原因

不登校生の担任の先生


11月になるといつも思い出すのが、息子が1年生の時の担任の先生の言葉です。

小学校1年の7月から学校を休みだし、2学期になっても学校に行ったり行けなかったり。学校の近くまで来ているのにどうしても門をくぐれない息子。
その息子を道端において、母一人で学校まで行くこともありました。

「母親が学校にいたら、寂しくなってついてくるかな?」 息子が正式な不登校生になってわずか1ヶ月。まだ、不登校生がどういうものかよく分からず、そんな甘い考えをしていました。

不登校の息子をおいて母一人が学校に行っても、何もできることはありません。
保健室の先生に「今日も近くまで来たのですが。」とお休みすることを報告するだけ。電話でもすむことだけど、親だけでも学校を近く感じたいという思いもあったのかも。

保健室に挨拶に行くと、校庭にいっぱいの子供達。もう、2時間目の中休みになっていたのね。
息子のお友達もいっぱい楽しそうに遊んでいます。なぜ我が子はこの楽しそうに遊んでいる同級生の中にいないのかしら。

そんな子供達の輪の中に、息子の担任の先生の姿を校庭に見つけました。
「担任の先生にも挨拶しておこう。」

校庭にいる先生の側に行って、「今日もお休みします。学校の近くまで来たのですが、どうしても来られなくて。」と挨拶だけして帰ろうとすると、 担任の先生に「私のせいですか?」と突然聞かれて「はっ?」とその言葉の意味の分からず首を傾げる母親でした。

すると「私のせいですか?担任は生徒が不登校になると自分のせいじゃないかと思うのです。」と続けた先生。

あまりに突然な問いかけに『そんなこと聞かれてもなんて答えていいか分からないじゃない。』と心の中で思った母でした。 

新1年生の7月に学校を2週間お休みしてから、夏休みが終わって新学期の9月になって1週間学校に行けたと思ったら、その後は行けたり行けなかったり。登校渋りが始まって2ヶ月。

「学校に来れるようになるといいですね。」と電話で話したりしたことはありますが、学校に行っても新一年生の担任の先生は忙しそう。
学校に行かない息子が悪いのだから、あまり迷惑をかけてはいけないと思っていた親。
担任の先生と息子の不登校について特に語り合ったことはありませんでした。

この時、校庭での先生の問いかけが、担任の先生と不登校のコアな部分について話した唯一の時でした。


 不登校になったきっかけ・原因は何?


息子が学校に登校できなくなって困惑する両親。

 なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?

毎日、息子の不登校の原因を追求していた両親でした。

息子の不登校の理由がわかることが一番の解決策のような気がしていました。

いじめ?何か嫌な経験をした?
でも、息子の口から学校や友達や先生を避難する言葉は出てきませんでした。

なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?

毎日混沌とする母にとっては、「そうです。担任の先生のせいです。」とか「いいえ。息子の不登校の原因はこれです。」とはっきり言えたらどんなに楽だったでしょう。

 学校に行けなくて家にいる日でも「先生はこうしたんだよ。」「友達はこういったんだよ。」と登校してた時の学校での体験を楽しそうに話す息子。

こんなに学校のことを楽しそうに話すのに「なぜ学校に行けないんだろう?」

不登校生をめぐるはてなは増えていきます。 

「私のせいですか?」と不登校の理由を聞く担任の先生のいきなりの質問に返事に困った母。

聞かれて親の心のほうが痛みます。

「先生、実は私も同じように自問しています。息子が学校に登校できないのは、親の私が悪いのでないかと思っています。」と心の中でつぶやいた母でした。

 楽しそうに学校で起きたことを話す息子の顔が目に浮かびます。

「いままで先生のことを一度も悪く言ったことはありませんよ。息子は先生のことを好きだと思います。」とだけ答えた母でした。 

小学生が学校に行けないとその子とかかわる全ての人が問います。

「なぜ?学校に行けないの?」

家族や先生、クラスのお友達までみんなが同じ質問をします。

不登校生の周りは犯人探しでやっきです。 

「どうしたら学校に来れるようになるの?学校に来れない原因は何?」

 「何が悪いのかしら?」「誰が悪いのかしら?」「自分が悪いのかしら?」

小学生の不登校になったきっかけ(原因)の状況 文部科学省調査(H25年度)
表:不登校になったきっかけ(原因)の状況(小学校)
学校教職員への聞き取り調査結果(H25)


 遠く海を超えた異国の地で、孫息子の不登校のニュースを聞いた義祖母も「彼が学校に行けないのは私のせいじゃないか?」と電話先で泣きます。

 いやぁ。おばあちゃん、それはないと思うよ。



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(表)参照:文部科学省 
 平成 25 年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」


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