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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2015年10月30日金曜日

イギリスの大学 ディスレクシアの認知度

ディスレクシア課とディスレクシアテスト


イギリスの大学へ社会人学生として入学が認められた私の元へこんなメールが届きました。
「成人学生の中にディスレクシアの生徒の割合が多いことからオンラインテストを受けてください。」 
メールと一緒に送られきたリンクを開いて自宅でオンラインでできるディスレクシアのテストは20分で終わりました。

始業式が終わり大学の学生課に初めていくと階段の踊り場にこんな案内表示がありました。学生課、福祉課、キャリアセンターと並んで「ディスレクシア課」

ディスレクシアの学生がいかに多いかと認識させられます。

大学の案内表示にもディスレクシア課
大学の案内表示にディスレクシア課


 英国ディスレクシア協会によるとイギリスでは人口の10%がディスレクシアでその内4%は深刻なディスレクシアとのこと。約7百万人以上いるディスレクシア人口のうち85%が成人で、その半数は自分がディスレクシアと知らずに生活しているとのこと。

ディスレクシア協会ができてから40年がたち、ディスレクシアの認知度も進み支援があれば多くが高等教育進学および優秀な成績で卒業したり才能を開花する仕事につけることができるのが統計でわかるようになりました。

よい成績を残すディスレクシアの学生たち

 英国の経済成長担当省であるビジネス・イノベーション・職業技能省(BIS)もITの進化によりディスレクシアや学習障害を含む障害者の高等教育への進学者が増え、さらに優秀な成績を残していると支援の必要性を実感し効果的な支援方法を探求しています。

ビジネス・イノベーション・職業技能省の報告書HIGHER EDUCATION Disabled Students’ Allowances: Equality Analysis DECEMBER 2014
BIS報告書 高等教育レベルでの障害支援を成績結果

2014年のBIS報告書 によると高等教育レベルで認知および補助を受けている障害者は障害でない学生と比べてもよい成績を収める割合が多いとして、このデータを今後の支援方法などに生かす方針であるとまとめています。

ディスレクシア支援団体や協会もディスレクシアの認知がされ対応策が取られることによりディスレクシアの人たちが大学進学中やその後のキャリアで活躍が見られるとコメント。

オンラインでできるディスレクシアテストのお値段

学校レベルでのディスレクシアを含む学習障害の認知度が進む中、今までディスレクシアと知らなかったり今でも認知されずに生活を行っている社会人をどのように助けることができるかが課題になっているのですが。

ディスレクシアのテストはインターネット上で簡単にできて、値段も30-50ポンド(約6000円-1万円)程度。


イギリスの大学から送られてきたディスレクシアのオンラインテスト
私が受けたディスレクシアのオンラインテスト
大学からのパスワードを入れると無料で受けられる。


簡単にオンラインでできるテストで少しでも自覚することも次のステップへの手がかりになるのでは。。。

学習生活の中で苦労工夫をする分ディスレクシアの人が仕事場で高度な管理スキルなどを発揮することがわかってきました。

ディスレクシアなどの障害をテストするのだけでなく、これらのディスレクシアの人たちが持つ個々の持つ隠された才能を見つけるソフトも開発されています。

スポットタレントテスト ディスレクシアの人たちの才能を見つけるオンラインテスト
ディスレクシアの才能発見テストのソフト

ディスレクシアの気持ちになって本を読もう。

認知度の進む英国でもディスレクシアの人たちの間では認知されるまで時間がかかったり、周り人から理解を得ることができずつらい思いをしてすごす場合も多い。

大学へ行くまでディスレクシアとして認知されなかったデザイナーのダニエルさんはディスレクシアが本を読む時にどんな苦労や思いをしているかとディスレクシアの人の気持ちをフォントを使って表現しました。

 通常のアルファベットの文字の40%を削ったフォントで書かれた手紙。
「あなたは何分かけて読めますか?」

普通の人が読むとディスレクシアの人が通常の文章を読むのと同じスピードになる。
ディスレクシアのデザイナーの作ったフォント
このフォントで書かれた文章を読むとディスレクシアの人が通常の本を読む時の気持ちがわかる。

このフォントを発明したことで英国政府から注目されたダニエルさんは政府のディスレクシアの普及キャンペーン団体に就職しました。彼のフォントで書かれた本が出版されました。

この本を読むと時間がかかりディスクレシアの人が読書の際にどれだけ苦労をするのか実感できます。

 学習障害と呼ばれているディスレクシアですがコンピューターなどのサポートを受けることによって優秀な成績を残したりすばらしいキャリアを持てる可能性が多くなるんですね。

英国だけでなく日本も含めてディスレクシアに対する認知度が増えればと期待するばかりです。


ディスレクシアのデザイナーの作った本
普通の人がこの本を読むとディスレクシアが普通の本を読むのと同じくらいのスピードがかかる。
ディスクレシアのデザイナー ダニエルさんの本


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関連する記事:


参照:
Department for Business, Innovation and Skills,2014年12月報告書
「Higher Education; disabled Students’ Allowances:Equality Analysis」 

ADSHE:Association of Dyslexia Specialists in Higher Education 

British Dyslexia Association 「成人とディスレクシア40年が過ぎ 2012年報告書

デイリーメール紙 「ディスレクシアの気持ちになる読みのテスト」2015年 Zofagharifard. Ellie,
「Take the reading test that shows you what it’s like to be dyslexic: Font recreates the frustration felt by those with the condition」
ダニエル・ブリトン氏のサイト http://danielbritton.info/195836/2165784/design/dyslexia

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