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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2016年2月29日月曜日

不登校生と引きこもり フリースクールへの助成金

不登校生と引きこもり

小学校1年の息子が不登校生になり始めた頃は 学校以外でも勉強できる方法はあるのではと両親で息子を連れて博物館などに連れて行っていました。

毎日のように電車に乗ってこんな博物館があるのかと思うような場所へ行ったり。

小さいながらにも親の頑張りがわかるのか興味深かそうに見学する息子。
時には目をキラキラさせて自分の考えを語る息子を見ると胸の痛みが少しは和らぐのですが、その反面こんなにいろんなことに興味を持って向学心があるだから学校に通っているお友達のように勉強できればさぞ学力がつくだろうと思う両親でした。

そんな思いもあり両親との課外授業の際の息子の様子を学校の先生に話したら、
「学校の授業時間はできるだけ家で勉強させてください。」
「基本的に学校にいるべき時間なのであまり外に連れて出ないよう。」と言われてしまいました。

「そうかぁ。」と反省しながら、「先生に学校の授業中はお家で勉強してと言われたからこれからはあんまりママたちと課外授業できないね。お家で本とか読んでようね。」

気軽な気持ちで先生のアドバイスを伝えた母でしたが、息子はその言葉を何倍も強く受け取ったのでした。

その日から息子は外に出なくなりました。

庭に出るのも嫌がるようになり。どうしても連れて出かけないといけない時も車で外出しても車の窓より自分の頭が出ないように顔を隠すように座るようになった息子。

これじゃいけないと慌てた母親。

どうしてもと嫌がる息子を連れて散歩に出かけました。
 のんびりとした昼下がり家からわずか数メートルのところで慌てて着ているパーカーのフーディで頭を隠し下を向いて歩く息子。
『小学生なのに学校に行ってない僕は外も歩いちゃいけないんだ。』
『誰にも僕が不登校生だとわからないように隠さないと…』
その姿は息子の気持ち語っているようでした。

 まだ8才なのになぜ。悲しみよりも怒りが。
 反射的にフーディーを彼の頭から引き降ろし怒鳴った母親でした。

「学校に行かないからといって犯罪者のように顔を隠して下を向いて歩くことはない。」 「自分に自信を持って上を向いて歩きなさい。」
 理性を失って息子を叱ったのはこの時だけだったかも。。。

 学校に行けるかどうかどころじゃない。
その日から息子が引きこもりにならないように今日もこれからも社会の人と触れ合うことができるようになるにはどうしたらいいかが両親の問題点となりました。

 相変わらず外出を嫌がる息子をいろんな口実をつけては外に連れ出す母。
お昼ご飯を食べに初めて立ち寄ったラーメン屋さん
「あれ、学校は?」と聞かれてびくっとする息子。
 どう答えたらいいかわからず下を向く息子に、
「今日はお休みしたのね。昨日もお休みしたのね。明日は学校行けるかなぁ。行けたらいいね。」と答える母。
『あぁ、そうか。』と納得顔のラーメン屋のおじさん。
「俺だって学校いけない時があったけど、今はこうやって立派に商売しているんだから。」 と励まされた息子。

 外出先で小学生の息子が
「学校はお休み?」「学校はどうしたの?」と聞かれる度に
「不登校ですから。」とあっけらかんと答える母。

不登校生とわかったら叱られるおもっている息子に、
「早く学校に行けるようになるといいね。」
「いつか学校に戻れるからね。心配しないで。」
「大変ね。頑張ってね。」
社会で触れ合う人たちからは励ましの温かい言葉ばかり返ってきました。

まもなくして息子が顔を隠して歩くことはなくなりました。

出会った見知らぬ人たちからは温かい言葉ばかりをいっぱい受け取った 私たち親子はもしかしたらラッキーだったのかもしれません。

不登校から引きこもりよく聞く言葉ですが、不登校になったからって自分を責めて社会をさらに小さくしないで欲しい。君が安心していられる場所、君を受け止めてくれる場所はこの社会の中に必ずあるはずだから。
このメッセージをいま自分を責めて辛い思いをしている不登校生に送りたいです。


フリースクールへの助成金 

不登校生を持つ家庭への経済的な支援が政府によって行われるようになりました。
2015年12月からフリースクールへ通う不登校生の家庭で生活の苦しい家庭には助成金による支援がされます。

フリースクールへの助成金 東京シューレ シューレ大学 (photo文部科学省HP)
シューレ大学 自分研究 (写真:文部科学省)
全国に少なくとも474あると言われるフリースクール。

 30年以上不登校生を支援しているフリースクールの東京シューレによると
『1980年代から考えると現在、フリースクールの数は増えているが、社会全体の不登校や引きこもりの子どもに対する視線は変わらない。』
『不登校の子どもがフリースクールに通うことに対し、在籍する学校の先生方や近隣の理解が得られず、心理的に追い詰められる家庭もある。』


 国からのフリースクールへの助成金などの支援策により不登校生を持つ家庭への経済的な支援の意味だけでなく、この動きから不登校生に対するまわりの考え方や認知の仕方が変わっていけばいいな。

そして、「不登校生だから。。。」と顔を隠して歩いたり、自分を追い詰める子供たちの数が少なっていけばと願っています。


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関連する記事:

参照:
朝日新聞 「フリースクール費補助6億円補正案 政府が不登校生支援」2015年12月17日
文部科学省 特定非営利活動法人 東京シューレ 「学校だけが育つ場所でない。」